──はぁ~、日本の政治家は反論しないですよね、抗議もしないし。だから、北朝鮮にも中国にもアメリカにも舐められる。たぶん、東京オフィスの意義を岸田さんは理解していないんでしょうね。
ジェームズ:まったく理解していないと思いますよ。官僚から言われたレターを読んでるだけの、こういってはなんですが、あれほど日本のトップとしての自覚と見識がない人はいないでしょうね。安倍さんでも朝鮮系なりに「美しい日本」などと言って、トンデモでしたが自分なりの国家観を模索していました。しかし、岸田さんの場合はそのような努力がまったく見られず、「分断から協調へ」という聞こえがいいだけの典型的なグローバリスト的で空虚なスローガンで誤魔化しているんです。皮肉にも、岸田さんが総理になって以来、協調どころか分断が加速しています。LGBT法然り、移民政策然り。彼のやり方は「分断統治」です。岸田外交のおかげで日本-NATO関係における分断が決定的になりましたね。
まあ、話を戻しますが、ともかく、ああいう場面になったらどこの国のトップも自国の状況を説明し、NATOの必要性をここぞとばかりにアピールしますよ。気の利いた人なら、最後にマクロンの後ろに中国がいることをほのめかす発言をして、丁々発止とやり合うのが普通です。そういう場所だし、そういう場面だったんですから。ところが、「ああ、そうですか」で終わりです。これを無能といわずになんというのでしょうか?
──国辱的ですね。
ジェームズ:会議の出席者は全員呆れていましたからね。結局、岸田さんの「ああ、そうですか」発言で東京オフィスの話は棚上げになってしまいました。NATOとしては金がほしいので却下はできないんです。