──でも、マクロンの言う通りじゃないですか? なんで北大西洋条約に日本が入らないといけないんですか?

ジェームズ:台湾有事を見据えてです。ウクライナを見てもわかるようにアメリカは地域紛争に対して自国の軍を出すかどうかわからない状態です。武器は出すが、軍隊を出してくるのか、日本を守ってくれるのか? 確実なことはないですからね。そういう中で、日本はNATOというアメリカ以外の後ろ盾があったほうがいいだろう、という考え方です。

──確かにそうかもしれないですが、ヨーロッパから太平洋に軍隊は出さないでしょう。

ジェームズ:可能性はほぼゼロでしょうね。しかし、NATOがバックについたというのは牽制になるんですよ。その証拠にマクロンが大反対してますから。以前の記事でも触れましたが、マクロンはフランス経済を立て直すために中国にすり寄っています。もっともフランス経済をぶっ壊した張本人がマクロンですけど(苦笑)。フランスの暴動もすべてマクロンのゴリゴリのグローバリスト政治が元々は原因ですから、中国から金を引っ張ってなんとか、保身をはかりたいんです。ですから、いまマクロンは中国の言いなりになって日本のNATO入りを阻止しようとしているんです。

──中国が警戒してマクロンを動かしているんですね。

ジェームズ:そうです。中国の国家戦略の重要なアジェンダの一つが「NATOのアジア拡大阻止」です。ですから、日本のNATO入りは対中抑止という点では効果があるんです。その代わり、NATOからがっぽり寄付金を取られますが(笑)。寄付金はいつものことなのでいいとして、問題は、岸田さんの態度です。マクロンから強硬に反対されて、まったく反論しなかったのです。「ああ、そうですか」と言っただけなんですよ。本当に東京オフィスを実現させる気があるんですか? あの人は(苦笑)。