■ブルーライトのある駅

 前述の情報提供者、星野さんは続ける。

「駅のブルーライト、あれわかります? でね、これ、さっきの霊園の駅がある場所なんですよ。仲木戸駅とね、弘明寺駅とか暗い駅にはあるんです。柔らかい青い光が自殺を考えてる人を抑えるということで、自殺を防止するためにブルーライトを設置したのかも……、なんて言われてるんですけど、実際は違うようですよ。だって、全然防止できてませんからねえ」

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(画像=画像提供:ハンターMAEDA,『TOCANA』より 引用)

 実際はどうなのか尋ねてみた。

「霊感がある人はあの光を見て、口揃えてこう言います。『幽霊がこちらの存在を認知できないようにするためだ』と」

 一銀は、夜更けにブルーライトを確認するため京急線各駅停車に乗った。ところが、屏風ヶ浦、杉田、京急富岡、などブルーライトがある駅は多い。特に周辺に店がない駅は、明かりがないため、かなり夜は暗くなる。

 この青白い光が心を休めてくれるのだろうか? むしろ怖さが先に立つ。そしてどのライトもホームの端にあるのが気になった。これはつまり、端から飛び込みやすいから設置している、ということなのだろうか。

 星野さんは言った。

「一銀さん、幽霊は怖いでしょう? 幽霊を見るのが怖いって思う理由、知ってます? 自分の『死』をリアルに感じる瞬間だからだそうです。でも、『死』を怖がらない人間もいる。そういう人が自殺しちゃうんでしょうね。幽霊=死が怖いと思ってるうちは、精神的にまともなんですよ。だけど、中には本当にブルーライトの下で待っている幽霊が、トンっと誰かの背中を押しているかもしれませんねえ。たまに、振り向きながらホームから落ちる人もいるって聞きますから。『誰かに押された?』って顔しながらね。辞めた運転手さんからの話ですよ。それがね、結構な確率で『押された? 何で?』みたいな顔で落ちて来るんだそうですよ」

 ちなみに、他のJRの路線の駅では、以前はオレンジ色の電灯だったのだが、LEDの青白い電球に変えたところ、自殺者が増したという噂もある。その駅は自殺者の多い駅として有名な場所だ。

 自殺防止なのか、誘う光なのか、今後も光の誘導性については検証が必要だ。