ちなみにシェパード氏は、アポロ計画での最年長宇宙飛行士(47歳)であり、マーキュリー計画で選ばれたアメリカ初の7人の宇宙飛行士の1人でした。
そしてこのミッションで最も有名な出来事と言えば、シェパード氏が地球からゴルフクラブを持っていき(実際にはヘッドのみを持っていき採取ツールの先端に取り付けた)、2つのゴルフボールを打ったことでしょう。
シェパード氏は一球目をミスショットしましたが、二球目は上手く飛び、「何マイルも飛んだ!」と冗談交じりに報告しています。
実際はボールは約200ヤード(約183メートル)飛んだとされており、月面での低重力環境が実際の飛距離に大きく影響することが示されています。
シェパード氏はこのようなユーモラスな物理実験を月面で行うことで、ミッションの固いイメージを和らげ、月面調査への一般の関心を高めるとともに、無重力環境が物体の運動に与える影響についてもわかりやすく示したのです。
徐々に人々が関心を失った「月面着陸」
ここまでで3度の月面着陸が成功し、計6人の宇宙飛行士が月面に降り立ちました。
しかしこうした成功は、次第に月面着陸を当たり前のニュースにしてしまい、人々の関心を月から遠ざけてしまいました。
それでも、人類の月面へのアプローチはしばらく続きます。
アポロ15号
1971年7月30日、アポロ15号に乗ったデビッド・スコット氏と、ジェームズ・アーウィン氏は、月面に到着しました。
月を歩いた7人目と8人目です。
この時点で、NASAは既に予算削減を予想しており、月を最大限に活用するためにミッションにいくつかの変更を加えました。
その1つが月面車の最初の使用です。
この月面車のおかげで、これまでの徒歩と比べて、はるかに遠くまで探査することが可能になり、より多くのサンプルを採取することが可能になりました。