3人目と4人目の月面歩行者は、船長のチャールズ・ピート・コンラッド氏と、月着陸船操縦士のアラン・ビーン氏でした。

彼らは1日と7時間にわたって月面で船外活動を行うことができました。

このミッションでは、アポロ11号よりも前に、月面の探査を行っていた無人探査機サーベイヤー3号の近くに着陸できたため、コンラッド氏たちは、月に取り残されたサーベイヤーから機器を取り外して地球へ持ち帰ることができました。

これによりアポロ12号の調査では、月面環境の過酷な条件に約2年半さらされた機器がどのように変化したか検証することができ、月の表面の宇宙放射線や極端な温度変化など、将来的な月面基地の設計に向けた知見が得られたといいます。

ちなみに、アポロ12号には、月面からの映像を向上させるために、11号で使われたモノクロではなく、カラーのテレビカメラが持ち込まれました。

しかし、ビーン氏が誤ってカメラのレンズを太陽に向けたため破損。月面からのカラー中継は開始直後に頓挫することになりました。

アポロ14号

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アポロ14号の乗組員。左からルーサ氏、シェパード氏、ミッチェル氏 / Credit:NASA, Wikipedia Commons

アポロ13号は月に向かう途中のアクシデントにより、ミッション中止が余儀なくされました。

月面着陸はできなかったものの、乗組員は全員無事に地球へ帰還できました。

そのため、人類が3度目に月に到達したのは、1971年2月5日のことでした。

月を歩いた5人目と6人目は、アポロ14号に乗ったアラン・シェパード氏エドガー・ミッチェル氏でした。

アポロ14号もトラブルに見舞われましたが、それほど深刻なものではなくミッションを完遂しました。

アポロ14号では、特に『地球のマントルと類似する成分』を持つ岩石が発見され、月と地球が共通の起源を持つ可能性が示唆されました。ここからは月の岩石には地球とのつながりと、月独自の環境による変成の両方が反映されており、月が地球科学の理解を深めるための重要な手がかりとなると示されたのです。