しかし、清和会という21世紀になって三人の首相まで出した自民党最大派閥が、脳天気に不適切な不記載を組織的にしていたのはあきれたものだ。ところが、安倍首相が亡くなってからの清和会はリーダーシップを誰もとらず、きっちり分かりやすい責任の取り方をしなかったのであって、派閥の指示通り慣習的に誤った処理をしていただけの議員まで重複比例名簿に載せないのは、過去の不祥事と比べてアンバランスだった。

私は世の中でそれなりに納得される責任の取り方は、小泉純一郎、森喜朗という二人の元清和会会長にして元首相が、国民に詫びてそれなりの責任の取り方をすることと(引退しているが栄誉の事態など色々ある)、少人数の幹部の立候補辞退・公認辞退・重複比例名簿記載辞退(せいぜい10人程度)にして、早めに発表することかと思った。

ところが、もたもた様子見をして突然に大転換し、公明党とも協議することなく、あまりにも突然に広範囲の人数を排除してしまった。

これは公明党にとって極めて迷惑だったと思う。それぞれ地域で持ちつ持たれつの関係もあるし、有権者に対して非常にしっかりお詫びと説明をしている議員もそうでない議員もいる。

もし自民党が重複比例から排除した議員は、公明党に支援してもらわなくてよいというなら、それはそれでいい。しかし、そういうわけでなかったのだから、困ってしまっただろう。

そもそも、自民党が議員をどう線引きするかなどは、公明党と事前の協議があってしかるべき問題だったように見える。

国民民主との継続的な協力はやめたほうがいい

自公で過半数を割った後の国民民主党との協議については、103万円の壁の話については、公明党が問題にしてきており、社会保険の130万円の壁なども含めてかなり緻密な提案もしてきた。

それに対して国民民主党の単純で分かりやすいが、やや粗い提案を斬新な提案として、遡上に載せているのも腑に落ちない。