その意味では、2選挙区では、裏金問題がなければもしかして勝てたかもしれないという程度の差だったことは、公明党の必死の巻き返しはそれなりに結果を出したのだというようにも見える。
一方、兵庫県では、維新が推していた斎藤元彦知事のパワハラ問題は、ある程度は維新に逆風だったと考えられ、次回が今回の勝利の延長線上にあるかは分からない。北海道は相手候補が立憲民主党だが、埼玉と愛知は国民民主党の候補で、国民民主党に突如として吹いたブームも大きな要因とみられる。
代表交代は影響したか公明党は、選挙の直前に山口那津男代表から石井啓一代表に交代したわけだが、結果的にいえば、時期を間違ったということになる。
もともと山口代表は、三年前にも交代が取り沙汰されていたが、安倍首相襲撃事件などによる政治の不安定もあって見送られた。今回も、裏金問題での自民党の不人気もあって躊躇があったが、9人の候補による総裁選挙で自民党支持率も回復したのをみてチャンスだとみて交代したわけだが、裏目に出た。運が悪かったとしか言いようがない。
また、比例代表でなく、小選挙区での出馬をしたことや比例名簿に載せなかったことも、新しい選挙区が創出されるというチャンスだったとか、代表が比例当選者から出ることによる士気の低下を考えれば間違いとは言えない。
ここは、2009年に太田昭広代表の落選という危機を山口代表への交代で乗り切った経験があるのだから、克服することを期待したい。
自民の気ままな方針変更のとばっちりいわゆる「裏金議員」を推薦などしたことについては、間違いなくイメージ低下になったが、それがどのくらいだったかは不明だ。
私は、裏金問題については、「常習的な駐車違反みたいなもの」といっている。これをあたかも巨大な利権が関与する贈収賄などと同レベルの犯罪のようにいうのはおかしい。また、使い道も例外的な議員を除いて私的流用していたとか言うことではないようだ。