福森は横浜FCで、高校(桐光学園)の大先輩でもある中村俊輔コーチと出会ったことで、その左足により一層磨きがかかり、31歳にしてキャリアのピークを迎えたかのような活躍ぶりを見せた。

2015シーズン、福森が川崎フロンターレから札幌に移籍したタイミングで、四方田監督が札幌の監督に途中就任し、両者が師弟関係にあること。福森自身が神奈川県藤沢市出身であることで、本人も残留を希望するだろうし、横浜FC側も完全移籍に動くだろう。

しかし、レンタル先で復活した福森を札幌が放っておくはずもなく、仮にJ1に残留できたとしても、レンタルバックを求めてくることは間違いない。もし今オフ、横浜FCが福森を手放さざるを得なくなれば、来季のチーム編成を根底から見直す必要に迫られる。

他にもスタメンに名を連ねることが多い主力のFW髙橋利樹(浦和レッズからのレンタル)、MF中野嘉大(湘南ベルマーレからのレンタル)の去就も気になるところだ。

今季の横浜FCは、MFユーリ・ララ、FWカプリーニ、さらにはシーズン途中に加入したFWジョアン・パウロらの外国人選手が“当たり”だったことも大きかった。彼らが残留すればJ1でも引けを取らない戦いが期待できる上、U-18プレミアリーグEASTで優勝争いしているユースから昇格してくる若い力も加わる。

とはいえ、所属選手のほとんどが、前所属チームで出番を失ったことで横浜FCに流れ着いた“寄せ集め集団”であることに変わりはない。


横浜FC 写真:Getty Images

J1残留を可能にできるかどうかの生命線

横浜FCの親会社「ONODERA GROUP」は、「立喰鮨 銀座おのでら」などのフードサービスを軸とし、メディカル事業やシニアライフ事業を展開。その中のスポーツ事業として、横浜FCのみならずポルトガル2部のUDオリヴェイレンセSADのオーナーとなるなど、グローバルな多角化経営を進めている。