黒田監督が理想とするサッカーとは、「ボールを高い位置で奪い、最短距離でゴールへ向かう」というものだが、この考えに共鳴する指導者が果たしているのかどうか、難しい作業となる。加えて、ピッチ外の騒動によって、現在フリーの身であっても「このクラブとだけは関わりたくない」と考える指導者もいるだろう。黒田監督自身の指導力は疑うべくもないが、その戦術を選手に落とし込み、試合で遂行させるヘッドコーチの人選が、来季の町田の生命線と言える。


鬼木達監督 写真:Getty Images

川崎フロンターレ:鬼木達監督

評価:★★☆☆☆/続投可能性:0%

10月16日に、今季限りの退任が発表された川崎フロンターレの鬼木達監督。J1優勝4回(2017、2018、2020、2021)、ルヴァン杯優勝1回(2019)、天皇杯優勝2回(2020、2023)という黄金時代を築いただけあって、後任監督選びのハードルは自ずと上がってしまうことは致し方ないだろう。

所属選手が次々と欧州に渡ってしまいながらも、チーム力を大きく落とすことなく結果を残し続けたものの、さすがに今季の選手層で「優勝しろ」というのは酷な話だった。

チームは今、端境期にあり、その中からユース育ちでパリ五輪にも出場したDF高井幸大や、35節終了時点で15得点を記録している新エースのFW山田新といった新星も現れた。しかし、勝つことに慣れ過ぎたサポーターから見れば、中途半端な名前では満足できないだろう。

OBに目を転じれば、J3福島ユナイテッドを指揮し、昇格プレーオフ争いを演じている寺田周平監督や、S級ライセンスを取得したばかりのクラブのレジェンドである中村憲剛氏、さらには水面下で前アビスパ福岡の長谷部茂利監督を巡って、FC東京と争奪戦を繰り広げているという噂もある。2017年にフロント入りした竹内弘明GMにとって初めての監督選びとなるが、失敗が許されない大仕事とあって、胃が痛い日々を送っていることだろう。


ジョン・ハッチンソン監督 写真:Getty Images

横浜F・マリノス:ジョン・ハッチンソン監督