通常は、何らかの連絡手段を伝えて必要な情報提供ができるようにするのが制度が想定している運用です。だってそうですよね?違法な行為の実態を公にして少なくとも当該行為の停止を願うのが公益通報の趣旨なんですから。6
「通報」の実質的内容に欠ける怪文書:他の職員への誹謗中傷もある「不正な目的」文書以下で当該告発文書の記述を項目ごとに具体的に精査していますが、「通報」の実質的内容に欠ける怪文書:他の職員への誹謗中傷もある「不正な目的」文書と言えます。
これは文書到達の時点で文面に存在している記述から言えるものなので、客観性に欠けることの無い判断です。「真実相当性」に焦点を当てるとこの点が隠れてしまいます。
当該文書には、証拠書類が全く添付されていません。これでは詳細を調査して実態解明しようにも、手段がありません。だからこそ通報者に記載されている事実関係を証明する証拠やその確定に資する聞き込み、他の証言者の存在を聴取する必要があるのですが、匿名どころか接点がないという本件の最重要な特徴がそれを不可能にさせています。7
それゆえに文書作成者の特定=探索が必須なわけです。
探索禁止義務の話になるとしても、指針には探索禁止の例外が書かれており、本件はそれに該当することになります。
公益通報者保護法11条2項の文言の法令解釈に反する消費者庁の指針と指針の解説での探索禁止公益通報者保護法自体は、こうした解釈を前提に立法されたことは明らか。指針で法律は読み替えられたと主張する人がいるが、行政が立法を覆すことを認めるべきではない。この法制度の建て付けは良くないが、だからといって、法律で命じられていないことをしなかった人を「違法」者扱いすべきではない。
— 野村修也 (@NomuraShuya) November 7, 2024
次に、野村修也弁護士は「指針で法律は読み替えられたと主張する人がいるが、行政が立法を覆すことを認めるべきではない」とも言っています。