■“ディストピア”な西暦3800年でロボットに脅される
ベルさんの初めてのタイムトラベルは50分ほどの旅であったということだ。誰もいない荒涼とした廃墟を意気消沈して歩いた彼女だったが、よく見ると廃墟の影に人の気配がすることに気づいた。
シェルターのような半地下施設では、どうやら人間のグループが立てこもっていて、ベルさんの姿を認めた人物から中に入るように促された。
中には無残にも衣服がボロボロに裂けて傷ついた人々が集っていた。それはまさに映画『ターミネーター』の世界であり、ロボットに支配された世界をなんとか人類の手に取り戻そうと、未来からやってきた“レジスタンス”たちが反攻の拠点にしている場所であったのだ。そして、彼らからこの時代が西暦3800年であることを知らされる。彼らは皆、敬虔なクリスチャンであった。
彼らの話によれば、未来のある時点(彼らにしてみれば過去)で、AI(人工知能)とロボットが蜂起して人類を攻撃し、世界中の都市をことごとく廃墟にしたという。同時代の人類には為す術もなく、こうして未来から有志がやってきて人類社会の最悪の事態を回避すべく一縷の望みを抱いてロボット勢に対抗しているのである。
絶望の未来を突きつけられた彼女はむしろ恐いものがなくなり、再び外に出ると、空を飛んでいたロボットに発見されてしまう。急接近してきたロボットに首根っこをつかまれて脅されたという。ロボットは表情が変化し、ボディは金属製で手はシリコン製であった。ロボットは怒った声で「どこから来たんだ!」と彼女に詰問したという。彼女はそれには答えないことを決め込んていたのだが、ロボットはさらに強く尋問してきた。
そのまま黙秘を続けていたら、おそらくロボットに殺されていたかもしれないと語る彼女だが、その次の瞬間、2007年のコズロフ氏の屋敷の部屋に連れ戻されたのだ。
この初めてのタイムトラベル体験は彼女にとってきわめて後味の悪いものになり、思い出したくない不吉な記憶になった。彼女はこの体験は自分の中で一生封印することを決断したのだ。しかし11年が経った今日、AI(人工知能)の脅威が一部で叫ばれていることもあり、こうしてカメラの前で口を開くことにしたのである。西暦3800年といわれても我々にはあまりピンとこないが、故ホーキング博士やイーロン・マスク氏らが主張する“AI脅威論”は、ベラさんによれば現実のものになることになる。彼女が本当にタイムトラベラーなのかどうかはまた別の問題になるが、人類が悪夢のような未来を回避できることを願うばかりだ。
(文=仲田しんじ)
参考:「Express」、ほか
※当記事は2018年の記事を再掲しています。
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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