さらに、甘味に対する好みも、エネルギーが豊富な食材を選択するための本能的な傾向として説明されています。
甘い果物や蜂蜜のような高エネルギー源は、成長に必要な栄養素を効果的に得られることから、これも生存に役立つ特性だったと考えられます。
こうしてみると、私たちの食べ物の好き嫌いは単なるわがままではなく、進化を通じて身につけた生存のための知恵と言えるかもしれません。
現代の食生活では、味覚の好みが必ずしも生存に直結するわけではありませんが、遺伝や進化によって形成された味覚の傾向が今も影響を与え続けています。
これに加え、家庭環境や文化的な経験も複雑に絡み合い、私たちの食の好みが形作られています。
好き嫌いを完全に克服することは難しいかもしれませんが、私たちの味覚の歴史を知ることで、日々の食選びに対する見方が少し変わるかもしれませんね。
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参考文献
Food fussiness a largely genetic trait from toddlerhood to adolescence
https://www.kcl.ac.uk/news/food-fussiness-genetic
元論文
Nature and nurture in fussy eating from toddlerhood to early adolescence: findings from the Gemini twin cohort
https://doi.org/10.1111/jcpp.14053
ライター
岩崎 浩輝: 大学院では生命科学を専攻。製薬業界で働いていました。 好きなジャンルはライフサイエンス系です。特に、再生医療は夢がありますよね。 趣味は愛犬のトリックのしつけと散歩です。
編集者
ナゾロジー 編集部