「コスパが低い」

と、印象付けられてしまった。客数は減り、来店頻度も低下した。直近3か月(6~8月)の既存店売上は3か月連続の減少。対して、競合のファミリーマート・ローソンは3か月連続で増加している。「コスパ」の印象が明暗を分けた形だ。

【売上対前年比】 セブンイレブン  6月:0.5%減、7月:0.6%減、8月:0.2%減 ファミリーマート 6月:2.9%増、7月:1.6%増、8月:1.2%増 ローソン     6月:4.6%増、7月:2.7%増、8月:2.0%増

(各社月次情報より ファミリーマートは営業実績 日商)

現在、セブンイレブンは、お手頃価格を訴求するプロモーション「うれしい値」を展開している。だが、サンドイッチはひっくり返して具の量をチェックしたくなる。弁当は手に取って上げ底具合を見たくなる。ネットで植え付けられた印象を覆すには時間がかかりそうだ。

では、今後のセブン&アイはどうなるか。国内コンビニ事業(セブンイレブン)、スーパー事業(イトーヨーカドー)、海外コンビニ事業(7-Eleven, Inc.)について考察してみよう。

筆者撮影

成長が望めない国内コンビニ

国内コンビニの成長は望めない。フランチャイズオーナーが減っていくからだ。

セブン&アイは、国内コンビニ事業(CVS事業)戦略について、決算説明資料(2024年度 第2四半期)にて以下のようなプランを提示している。

1.お手頃価格キャンペーン“うれしい値”による「客数増加」 2.カウンター商品(レジ横のファストフード)の拡大による「粗利改善」 3.7NOW(お届けサービス)の拡大による「粗利改善」 (※「様々な仕掛けにより来店頻度向上を図る」は具体案ではないので省略)

これらのプランは、セブンイレブン(本部)の利益を増加させる一方、フランチャイズ店(加盟店)の利益を減少させる可能性が高い。

まず、1つ目の“うれしい値”は利益率が明らかになっていない。「客数」が増えたとしても、コスト(本部からの仕入額)削減をせず、売価だけを下げれば、加盟店は利益減となる。