Meijiのレプリコンワクチンとは何か。レプリコンとはレプリカ、複製する、という意味である※16)。新型コロナワクチンは、コロナウイルスが感染するための「手」であるスパイクタンパク質の一部の遺伝子を成分とする。タンパク質を細胞に作らせるmRNA(メッセンジャーRNA)が成分なので、RNAワクチンという。

コロナウイルスは、我々「真核生物」の遺伝子がDNAであるのと違い、RNAが遺伝子である。ここで誤解曲解を招くのは、RNAワクチンはウイルスを作る、という「大間違い」である。そのようなことは「ありえない」。

今後発展するであろう遺伝子治療やその技術を応用する再生医療含めた基本的常識理解として「遺伝子は生命の設計図である。医療で用いるのはその一部である。一部の設計図では全体は作れない」。車のエンジンの設計図だけでは車を作れないのと同じ、それを理解する必要がある。

RNAはDNAを設計図として必要な部分を写し取り、生命を構成する蛋白質を作るための命令書である。ワクチンとして細胞に入るとスパイク蛋白質を作らせ、それが細胞表面に出てT細胞などの免疫細胞に認識され、免疫をもたらす※17)。

しかしRNAは細胞内や自然界にあまねく存在するRNase(RNアーゼ、RNA分解酵素)により、どんどん分解される。折角RNAワクチンを接種してもすぐ分解してしまえば、スパイク蛋白質を作る量と時間は限られる。

ならば細胞内でまずRNAを増やしたらどうか。様々なウイルスにはそのためのRNA複製酵素レプリカーゼの遺伝子が存在するので、スパイク蛋白質の遺伝子と一緒にワクチンの成分とすれば、ワクチンのRNAが沢山コピーされ沢山スパイク蛋白質が作られ、効果は強く長続きするはず、というのがレプリコン・ワクチンの原理である。

これまでの新型コロナワクチン同様に、レプリコンワクチンもコロナウイルスのスパイク蛋白質だけを作る。スパイク蛋白質はコロナウイルスの感染に必須だが、病原性は無い。