10月27日投開票の衆議院議員総選挙は、自民党が56議席を失い、自公でも215議席と過半数を大きく割り込む結果に終わった。その大惨敗の原因の大半が、自民党派閥政治資金パーティーをめぐる「裏金問題」にある。
昨年12月に検察捜査で表面化した「裏金問題」で、自民党に対する批判が高まり、その問題への対応でも厳しい批判を受けた結果、自民党は4月の衆院3補選で全敗、その後も内閣支持率下落が続いたことを受け、岸田文雄前首相は、9月の総裁選への不出馬・退陣を表明した。
9候補が乱立して争われた総裁選では、「裏金議員」への厳正な対応も、「裏金問題」への抜本的対策も示せないまま、結局のところ、従来の自民党的な「党内力学」で石破茂氏が総裁に選任されたが、石破氏は、新総裁就任直後、国会で新首相に指名される前に、総裁選で示していた「予算委員会での議論を経て総選挙での審判を受ける」との方針をあっさり撤回、首班指名直後に衆議院を解散して10月27日投開票で衆院選を行うことを宣言した。
総裁と言えども、「裏金問題での国会追及回避最優先」という自民党内論理に抗えないことを露呈したものだった。
それにより、石破新首相に対する国民の期待は裏切られ、石破内閣は、新内閣発足時としては最低の内閣支持率から出発することになった。そして、情勢調査の結果が、裏金問題批判のために厳しいものであることを知った自民党執行部が、「裏金議員」合計12人を衆院選で非公認とすることを発表したが、それが、党内から反発を受ける一方で、国民からは「裏金議員への厳正な対応」としては評価されず、公示後の選挙情勢は自民党にとって一層厳しいものとなった。
そして、選挙期間終盤で「非公認議員への2000万円提供問題」を日本共産党の機関紙『赤旗』にスクープされ、「裏金議員への裏公認料」との批判が一気に燃え上がり、それに対し、石破首相が