2代目ソアラのスポーツ版的な「トヨタ3000GT」
1986年2月に国内でも「セリカXX」の名を捨て、全世界的には3代目、国内では初代の「スープラ」を襲名したA70系スープラですが、リトラクタブルヘッドライトで直列6気筒エンジンを積む3ドアリフトバッククーペというスタイルは先代と全く同じ。
同年1月にモデルチェンジした2代目ソアラと主要コンポーネントを共有し、国内専用ラグジュアリーGTであるソアラに対し、世界戦略車でもあるスポーツGTというポジションも同じで、パッと見は「新型セリカXXが改名したんだよね?」という雰囲気です。
そのままではトヨタもインパクト不足に思ったか、1960年代の名車、トヨタ 2000GTにあやかった「トヨタ3000GT」というキャッチコピーを打ち出し、実際にトップグレードが搭載する7M-GTEUは3リッターターボでした。
もっとも、1989年の税制改正で3ナンバー車の自動車税が安くなる前でしたから、先代同様に全幅が5ナンバー枠(1,700mm)に収まるナローボディが基本で量販グレードは2リッターツインターボの1G-GTEU搭載車が主力。
3リッター車に海外仕様と同じブリスターフェンダーの3ナンバーボディ車、「3.0GTターボリミテッド」が追加されるのも1987年を待たねばなりませんでしたが、初代のリファインで歴代最高のヒット作となった2代目ソアラと異なり、スポーツカーとして注目されます。
ライバルのフェアレディZ(当時はZ31)や、三菱 スタリオンなどが低迷していた時期でもあり、このジャンルではヒット作といってよいスタートだったと言えるでしょう。
筆者が住む宮城県仙台市でも、待ち合わせスポットとして昔も今も賑わうJR仙台駅2Fステンドグラス前に、「トヨタ3000GT」として堂々と展示されていたのを、よく覚えています。