目次
国内初代スープラ・70系がセリカから国内でも独立するまで
国内初代スープラ・70系がセリカから国内でも独立するまで
スープラというトヨタ車は海外だと歴史が古く、1978年にA40系セリカのフロントをバルクヘッドから先で延長、本来は直列4気筒エンジン搭載車へ強引に直列6気筒エンジンを積んだ…という、旧プリンスのS54スカイラインGTばりの強引さで作られたクルマです。
日本では名実ともにセリカの上級車種「セリカXX(ダブルエックス)」として発売されますが、英語圏だと「XX」は性的用語を意味する場合もあるため、主要市場の北米をはじめ、海外では初代「セリカスープラ」を名乗りました。
直列6気筒エンジンを積む、3ドアファストバック(トヨタでの名称は「リフトバック」)の国産クーペといえば、ライバルは国内外を問わず日産のフェアレディZであり、2〜2.8リッターの排気量もそれに準じたものですが、強引な作りが災いして人気は今ひとつ。
1981年7月に2代目セリカXX/セリカスープラへとモデルチェンジすると、A60セリカの上級車種という位置づけこそ変わらぬものの、数ヶ月前(同年2月)にデビューした国産高級ラグジュアリークーペの傑作、初代「ソアラ」と主要コンポーネントを共有した準兄弟車へ。
ラグジュアリーGT的なソアラに対し、リトラクタブルヘッドライトを採用してホイールベースも短く、ハンドリングにもこだわったスポーツGT的な路線を狙った2代目は狙い通りのヒット作となります。
しかし、ある意味でベーシックモデルであるセリカがA60系を最後にFRスポーツとしての使命を終了、FRスポーツセダン版のカリーナともどもコロナの兄弟車であるFFデートカー路線へ転ずると、3代目A70系はセリカの名を捨て、国内外で同じ「スープラ」を名乗るのでした。