人類は何世紀にもわたって有翼獣人に憧れてきた。古くはギリシア神話の時代から、その憧憬を確認できる。たとえば世界的に有名な「サモトラケのニケ」は有翼の勝利の女神だ。スポーツ用品メーカーNIKEは、選手たちに勝利を贈ろうとニケの翼をロゴマークにしている。

 一方、世界各地の神話・宗教においては、翼をもつ神々や天使などが確認されている。科学的には、これら架空の存在は翼を持たない人間の憧れとして理解されてきた。しかし、最近年の報告事例によれば、そうではないかもしれない。

モスマン

 現在もっとも有名な未確認人型有翼生物といえば、米国の「モスマン」だろう。1966年11月22日の最初の目撃に始まるモスマンの伝説は、1967年12 月15日に確定的なものとなった。同日、ウェストバージニア州ポイント・プレサントに設置されたシルバーブリッジの崩落により46人の市民が犠牲となった。生存者の多くが「金属棒に何かが潜んでいた」「大きな翼をもつ人型の何かがいた」と証言したことで「モスマン」は全米で有名となる。この街とモスマン伝説の経緯については、ジャック・デイリー著「物語の簒奪:モスマンとシルバー・ブリッジ崩壊」に詳しい。では、これらは半世紀も前の都市伝説なのか。

 否。近年にも報告があるのだ。2016 年11月、地元のハンター2人がモスマンに酷似した生物の写真撮影に成功したと話題になった。つまり現代でも目撃報告がなされている。

有翼人型未確認生物「翼のある女」とは? モスマン、バッツカッチ、ロックエイプも
(画像=Tim Bertelink – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる、『TOCANA』より 引用)

 目撃報告は、奇妙にも一致している。生物は赤い目を輝かせ、体高は210㎝ほど、翼を広げると3mほどになる。モスマンは都市伝説を超えて、現実の存在として人々に受け入れられているのだ。事実、モスマン展示館、モスマン・フェスティバルなどが開催されている。

 また今までにモスマンを主題とした映画は数作あるが、2022年6月には新たに映画「モスマン」が製作開始している。モスマンは現在進行形の未確認生物、有翼獣人として人々に受容されているのだ。それでは、他にどんな事例があるのか。