XフォースABSなら高速走行も可能!

高速道路を走るXフォースABS
フォースABSは高速走行時の安定感が意外に…というかかなりいい。

それにやはり、原付二種のシグナス グリファスとは違い、XフォースABSは“高速道路を走ることができる”。乗り物としてこの要素はとても重要だ。コンパクトスクーターとはいえ、高速道路を使えれば、通勤・通学はもちろん、たまの休日には高速道路で郊外へ遠出することだってできる。高速道路に乗ることができれば単純に行動範囲が大きく広がるのだ。

驚いたのは、XフォースABSの高速走行時の安定感のよさだ。こればかりはシグナス グリファスを引き合いに出すわけにはいかないので、キャラクター的にはXフォースABSの先代にあたるマジェスティSと比較すると、随分と高速巡航性能が上がっていると感じた。

マジェスティSは“なんとか高速走行ができる”的な乗り味で、トップスピードではちょっと車体が心許なく感じるところがあった。ところがXフォースABSは高速走行をしてみると全域にわたって車体に余裕があり、終始リラックスして乗っていられる。

しかもエンジンの伸びもいい。120km/hあたりのトップスピードまで淀みなくスパッと加速していく。この軽二輪クラスのスクーターでここまで気持ちよく高回転側が伸びるマシンもなかなか珍しい。これこそが、XフォースABSのエンジンに搭載されているVVAの恩恵である。ちなみにVVAは5000〜6000回転の域で作動する。バルブの動きを司るカムシャフトが切り替わると、メーターに「VVA」の表示が現れるようになっていた。

VVAを搭載するXフォースABS
低回転域と高回転域でエンジンに混合気を送り込むバルブの動き方を変えるVVAを搭載したことで、XフォースABSは低回転域で力強く、しかも高回転域までよく伸びる“全域性能”を手に入れた。

ステップスルータイプのフロアをチェック

シグナス グリファスとXフォースABSの素晴らしいところは、両車ともステップスルータイプのフロアを採用していることだ。通勤・通学で使うなら、スクーターはやはりステップボードはフラットな方が、足を大きく上げなくても乗車でき、服装の自由度が高くて便利だ。特にXフォースABSは、高速道路を不安なく走れるような頑丈な車体が与えられているにも関わらず、センタートンネルがないのがすごい。

より高いレンジの走行を行うためにセンタートンネルを設けてしまえば、簡単に頑丈なフレームを作ることができる。ただ、それでは“気軽に乗れる”というスクーターならではの利便性が失われてしまう。XフォースABSは、不安なく高速走行ができるしっかりとした車体なのに、ステップスルータイプのフロアに拘っているところがすごいのだ。

XフォースABSで高速走行
XフォースABSは、ステップスルータイプのフロアのモデルでありながら、しっかり高速道路を走れてしまう。