サイゾーの記事のこの部分が、むしろ法体系に関心のある界隈では最も物議を醸していました。その結果なのか、サイレント修正されています。⇒修正後の魚拓

修正された通り、アメリカ合衆国憲法には、抵抗権や革命権の記載はありません。

この修正が編集部のミスで記載されたものを改めたのか、それとも川上氏が自身の誤りを認めて編集部に修正を申し入れたのかは、修正に関連する記載がないので不明です。

1776年の独立宣言には抵抗権や革命権と呼ばれる記載があります。

われわれは、自明の真理として、すべての人は平等につくられ、造物主によって、一定の奪いがたい天賦(てんぷ)の権利を付与され、そのなかに生命、自由および幸福の追求の含まれることを信ずる。また、これらの権利を確保するために人類の間に政府が組織されたこと、そしてその正当な権力は被治者の同意に由来するものであることを信ずる。そしていかなる政治の形態といえども、もしこれらの目的を毀損(きそん)するものとなった場合には、人民はそれを改廃し、彼らの安全と幸福をもたらすべしと認められる主義を基礎とし、また権限ある機構をもつ、新たな政府を組織する権利を有することを信じる

永く永続した政府は、軽微かつ一時的な原因によっては変革されるべきでないことは、慎重な思慮の命ずるところである。したがって、過去の経験もすべて、人類が災害の耐えうる限り、彼らの年来従ってきた形式を廃止しようとせず、むしろ耐えようとする傾向を示している。しかし、連続せる暴虐と簒奪(さんだつ)の歴史が明らかに一貫した目的のもとに、人民を絶対的暴政のもとに圧倒しようとする企図を表示するに至るとき、そのような政府を廃棄し、自らの将来の保安のために新たなる保障の組織を創設することは、彼らの権利であり義務である

しかし、実務上や一般の学説ではこうした抵抗権が憲法上の権利義務となっているとは解されていません。13州のイギリスからの独立時の話が、独立後の憲法にそのまま妥当するとは考えられません。