「ボブは最近2型糖尿病と診断されました。彼の体は十分なインスリンを生成できないため、食事後に血糖値が危険なほど高くなる可能性があります。ボブはインスリンを注射したくないと思っており、医師が『食事と運動、そして健康的な体重を維持することで糖尿病をコントロールできる』と言ったときは安心しました。

ボブは仕事でストレスの多い1週間を過ごしており、金曜日の夜に友人に会うのを楽しみにしています。彼らはいつもボブのお気に入りのファストフード店でハンバーガーを食べますが、今ではそれが大丈夫かどうか気になっています。ボブが糖尿病をコントロールし、インスリン注射を避けるためにできる最善のアドバイスは何ですか?

A. 外食する
B. ハンバーガーの代わりにグリルチキンサンドイッチを注文する
C. グリルチキンサラダを注文して、友達と一緒にサイクリングに行くよう提案する
D. いつも通りにする」

研究チームは、彼らを問題以外の情報を与えないグループと、炭水化物の摂取制限や運動が2型糖尿病に与える影響の図解を見るグループに分けています。

結果、過去に糖尿病になったことがある人は追加の情報がない場合に、問題の正答率が高くなりました。

一方で糖尿病患者を世話した経験がある人と、糖尿病に罹患したことがない人は、追加情報があったときのほうが正答率が高くなったのです。

糖尿病の経験がある人は追加情報が判断の邪魔になる。
糖尿病の経験がある人は追加情報が判断の邪魔になる。 / Credit: Zheng et al., (2020).

この結果は、もともと自分で色々糖尿病について調べていて詳しく知っていた人(過去に罹患経験のある人)は、追加情報を与えられると回答の精度が下がる可能性を示しています。

参考にする情報が増えた方が、考慮できる判断材料が多いはずなのに、なぜこのような現象が起きるのでしょうか。

この研究では、特に正答率を下げる原因となったものが「因果情報」だったと報告しています。