「ジェーンは大学に入学したばかりで、授業や課外活動で忙しいスケジュールに慣れようとしています。彼女は『freshman 15』(大学1年生が最初の1年間で15ポンド(約7キロ)体重が増える現象)について聞いたことがあり、それを避けたいと考えています。しかし、新しい友達を作ったり、宿題や勉強の時間を確保することも大切だと思っています。ジェーンが目標を達成するために、ベストな行動はどれですか?

A. 毎週末に30分の散歩に行く
B. 健康的な食事を維持する
C. 友達と遊ぶのを避ける
D. テレビをあまり見ないようにする」

また研究チームは、彼らを問題以外の情報を与えない人と文章で追加情報を与える人、体重管理に関する要因の図解を見る人に分けています。

実験で提示された文章と図解。
実験で提示された文章と図解。 / Credit: Zheng et al., (2020).

さて追加情報の有無、追加情報が与えられた時の種類によって正答率は変わったのでしょうか。

結果、追加で情報を得た人よりも、追加で情報を得なかった人の正答率が高くなりました(問題の答えは「B. 健康的な食事を維持する」)。

経験がある事柄は追加情報がない方が選択問題の正答率が高い
経験がある事柄は追加情報がない方が選択問題の正答率が高い / Credit: Zheng et al., (2020).

この結果を受け、研究チームは「過去に経験がある事柄についての追加情報は意思決定の邪魔になり、精度を下げる」のではと考察しています。

減量は多くの人が経験している事柄ゆえに、追加情報が判断の精度を低下させた可能性があると言えるでしょう。

経験がある事柄の判断の追加情報は判断を鈍らせる

経験がある事柄の判断の追加情報は判断を鈍らせる
経験がある事柄の判断の追加情報は判断を鈍らせる / Credit: Canva

研究チームは経験の有無をより明確にするために追加の実験を行っています。

彼らはオンラインで募集した参加者590名に対し、以下のような「2型糖尿病」に関する問題を出しました。