スーパーロボットが修復した傷部分の組織の密度については、元の回復状態に近いことを示しており、周囲の傷の部分とは明らかに異なっていました。
このことから、スーパーロボットが自律的に活動し、周囲の組織に対して修復や再生の能力を持っていることが明らかとなりました。
今後の展望
結果として、研究チームは前駆細胞が自己組織化し、自律的に運動する能力を持つアンスロボットの開発に成功しました。
これらのアンスロボットは、自己組織化のプロセスを経て、収縮性のある筋肉組織を形成し、収縮と弛緩を繰り返すことで自発的な運動を示しました。
特に驚くべきことは、外部からの刺激なしに、細胞が独自の力で運動を開始した点です。これは、細胞間の信号伝達が重要な役割を果たしていることを示しています。
研究者らは、アンスロボットが動脈硬化症患者の動脈内に蓄積した血栓の塊の除去や、呼吸系疾患の患者の気道からの過剰な粘液の除去、薬物の局所運搬などに利用できると考えているそうです。
また、この信号伝達のメカニズムを解明することで、今後さらに高度なバイオロボットの設計や、特定の機能を持たせることが可能になると考えています。
このように自己組織化し、運動するバイオロボットは、将来的に様々な分野での応用が期待されています。
この研究は非常に興味深い結果を示しましたが、まだ幾つかの課題も残されています。
まず、バイオロボットの持続性や長期的な機能維持については今後も継続的な確認を行い、実際の医療に応用する際には免疫反応や炎症を引き起こさないようにする工夫も必要です。
それでも、自ら動くバイオロボットが実現したということは、医療の未来にとって大きな希望です。
今後バイオロボットはどんな進化をとげるのか、目が離せません。
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参考文献
Scientists build tiny biological robots from human cells
https://www.eurekalert.org/news-releases/1008859
ナノマシンがひらく新たな医療、早期発見、治療で健康を当たり前に(JSTnews June 2021)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstnews/2021/6/2021_3/_pdf/-char/ja