中国都市伝説5
西単人肉饅頭事件

中国の有名“都市伝説”5選! 北京375番バス、人肉饅頭、ゾンビラッシュ、猫面婆…
(画像=Image by Philipp from Pixabay,『TOCANA』より 引用)

1982年、資本主義経済への移行を目指した改革開放直後の中国経済はまだ弱かった。当時、一般の中国人は肉の値段が高すぎて、毎日肉を食べることはできなかった。しかし、北京の西単という有名な商業街に、肉まんの店があり、その肉まんの中身は肉だが、値段が非常に安かったという。

 味はいいし、値段も安いから、この店の商売は大繁盛である。一日に3~400個の肉まんが売れた。中国では1993年に穀物(肉)流通制度が廃止され、穀物(肉)が市場を通じて取引されるようになったばかり。そのため、1982年当時は肉まん屋がどこでそんなに安い肉を仕入れて肉まんをつくっていたのか、不思議だった。

 あまりに商売がうまくいったので、店主は他所から北京に来た人を従業員として雇うようになった。改革開放の初期には、多くの中国人が故郷を離れ、経済的に発展した地域で労働した。深圳が経済特区になる前は、北京、上海、広州がその選択肢の第一候補だった。

 当時は通信手段が未発達で、他の都市に出稼ぎに行った多くの人が手紙を書いたり、一度家に帰ったりするのに長い時間がかかった。中には他の都市で事故死し、数年後に故郷に知らされる人もいたという。

 さて、肉まん屋の安さの秘訣は簡単だ。肉まん屋に雇われた地方出身者が殺されて肉詰めにされたため、材料費がかからなかったのである。

 地元の客や警察は、この肉まん屋で1カ月以上働いている店員を見たことがないため、困惑し始めた。中には、肉まんで人の爪を食べたと文句を言う客まで出てきた。社長はただ、こう言った。「肉まんを作るとき、店員が誤って指の爪を切ってしまったんだ。もうクビにしたよ」と。

 住民の間で不信感が募り、遂に警察が捜査に入った。そして、冷凍庫の中に殺された従業員の死体を発見。

 逮捕された店主は、当初は肉まんの不味さを批判した男を誤って殺してしまい、死体を隠すために人肉を肉まんにしたに過ぎないと語った。しかし、思いがけず、最初に作った人肉饅頭が普通の饅頭より売れたため、「人肉饅頭」を固定メニューにするようになったという。

 日本でもよく知られている人肉饅頭だが、この都市伝説は実際にあった残酷な事件に基づいているといわれている。1982年、北京のある料理人が、北京に働きに来た部外者2人をけんかの末に殺害。その2人の遺体をミートソースにして、近所の人に配ったという事件だ。隣人はすぐにミートソースの異常に気付き、警察に通報。その日のうちに男は逮捕された。

 メディアが未発達だった当時、この事件の話は人々の間に広く浸透し、やがて「人肉饅頭」バージョンになった。当時、多くの北京市民はこの都市伝説のために肉まんを食べなくなったといわれている。

 これら5つの都市伝説は、ほとんどが1995年以前から存在するものだ。1994年に中国に初めてインターネットが登場したが、当時はインターネット上に中国のコンテンツはほとんどなかったため、初期のフォーラムやポータルサイト、ブログは、オフラインで人気のあるコンテンツをオンラインに移行させることを目的としており、中でも怪談は最も人気のあるテーマだったのだ。

 また、当時は変なニュースを見たときに、ほとんどの人がインターネットにアクセスする手段がなかったので、真偽を検証する方法がなかった。そのため、中国の現代的な都市伝説は基本的にその時期に形成されたものだとされている。

提供元・TOCANA

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