中国都市伝説2
ハルビンの猫面婆
中国古来の言い伝えでは、猫を死体に近づけてはいけない、特に黒猫を近づけてはいけないというタブーがある。黒猫が人間の死体や棺桶を横切ると、死者がゾンビとして蘇るといわれているのだ。
1995年、中国黒龍江省北部の小さな山村で、ある家族の口論が激化。息子夫婦が母親と些細なことでいさかいになり、大喧嘩にまで発展してしまったのだ。
高齢の母親は非常に怒り、自暴自棄になった。そして、その夜、彼女は首を吊った。
老婆の口からは舌が飛び出し、目は怒りの表情で開いていたという。この地方の風習では、このように人が憎しみで死んだ場合、近親者が一晩中そばでなだめすかしてから埋葬することになっている。
しかし、老婆の息子と妻は老婆の遺体に付き添っているうちに眠ってしまい、黒猫が老婆の遺体を踏みつけてしまった。猫は死に老婆は猫の顔をしたゾンビの姿で生き返った。そして、怒りのままに息子とその妻を殺し、村から逃げ出した。
猫顔の老婆は、夜中に一人で出歩く子供を狩って食べると噂され、死者の腹の中には、死んだネズミが詰め込まれるという。
猫面婆は現代中国における4大都市伝説の1つであり、その起源は最も古いとされている。少なくとも1924年まで遡ることができ、老婆の死後、黒猫に体を破壊された老婆はゾンビとなり、親不孝な子供たちに怒りながら復讐をする。何世代にもわたって受け継がれた後、この物語は黒竜江版へと発展したとされる。
当時、ハルビンの一部の学校では、生徒たちに安全に注意するよう警告したほど信じられたそうだ。しかし、中国のネットユーザーの中には、この話が中国東北地方で人気があるのは、当時、この地方には子供を誘拐して人身売買する犯罪者が多くいたからだと言う人もいるという。この都市伝説は2016年に映画化された。