まずは、代表的な国・地域の推移からです。

図4 1人あたりGDP 名目 購買力平価換算値 アジア・大洋州IMF World Economic Outlook Databaseより

図4が購買力平価換算値の推移です。

1990年代頃までは日本はオーストラリアや香港と同程度で推移していたようですが、その後は大きく差が付いているようです。

1980年代から既にシンガポールが突出しているのも印象的ですね。

近年では、日本はシンガポール、台湾、香港、オーストラリア以外にも、韓国、ニュージーランドを下回ります。

為替レート換算値と比べると日本は右肩上がりに上昇してはいますが、伸び具合では他国と比べてやや緩やかな印象です。

東南アジアではマレーシアが高い水準になっていますが、中国やタイなども為替レート換算値と比べて大幅に高い数値となっています。

5. 1人あたりGDPの国際比較:購買力平価換算値

続いて、1997年と2023年の国際比較をしてみましょう。

まずは1997年からです。

図5 1人あたりGDP 名目 購買力平価換算値 アジア・大洋州 1997年IMF World Economic Outlook Databaseより

図5が1997年の国際比較です。

日本は為替レート換算値では突出した水準でしたが、購買力平価換算値だとアジアの中でも4番目の水準だったようです。

ブルネイ・ダルサラームの水準がかなり高いのが特徴的ですね。

続いて、シンガポール、香港、日本、オーストラリア、ニュージーランド、台湾、韓国と続きます。

中国は購買力平価換算値でも当時日本と10倍以上の差があったようです。

図6 1人あたりGDP 名目 購買力平価換算値 アジア・大洋州 2023年IMF World Economic Outlook Databaseより

図6が2023年の国際比較です。

日本は52,215ドルでアジアでも9番目の水準に立ち位置を低下させています。