科学界における心霊研究の潮流
エジソンだけが心霊現象に興味を持っていたわけではない。20世紀初頭は、科学と心霊主義がかつてないほど交差した時代だった。電波などの目に見えない力の発明により、科学者たちは、これらのエネルギーが超常現象の説明になるのではないかと考え始めた。著名な物理学者で技術者でもあるオリバー・ロッジ卿もこの考えを支持し、死者との交信は科学の射程内にあると信じていた。
エジソンの霊界通信機は、もし実現していれば、当時アメリカやヨーロッパの家庭で既に人気を博していたウィジャボードなどと同じ役割を果たす、画期的な装置になっただろう。エジソンのアプローチは機械的ではあったが、それでも心霊主義者が何十年も抱いてきた根本的な疑問に答えようとしていた点で共通している。