つまり女性たちは、性的に誇張されたデザインを嫌悪しつつも、「それら性的な要素がキャラクターをより女性らしく魅力的だ」と感じているわけです。

このような、一見矛盾しているようにも思える女性の反応は、最近のポリコレやDEIに配慮したゲームに対する世間の複雑な反応をいくらか説明しているようにも思えます。

ある人々は、ポリコレやDEIに対する配慮から、性的表現が高い女性キャラクターの排除を求めはするものの、心のどこかではそうしたキャラクターこそが女性らしいと感じており、そのキャラでプレイしたいのです。

とはいえ、今回の研究には、「サンプルサイズが小さいこと」「RPGよりもマイナーな格闘ゲームを採用したこと」などいくつかの限界があり、こうした点も考慮しなければいけません。

格闘ゲームはカッコよく戦って勝つことが目的であるため、アドベンチャーゲームなどのジャンルを対象にした場合、今回とは異なる結果が示される可能性もあるでしょう。

先に例に上げたコンコードについても、失敗の理由はすでに成熟した市場である対戦型FPSへの参入に出遅れたこと、基本無料が当たり前の対戦型FPSを有料コンテンツとして配信した点も指摘されており、単純にキャラデザだけで失敗したとは言い切れません。

それでも、今回の研究結果に納得感を持つ人は多いでしょう。

近年、ポリコレやDEIへの認識は急速に高まりましたが、研究では人々のDEIに対する意識と、実際ゲームで「プレイしたいキャラクターのタイプ」には大きな隔たりがある可能性が示されました。

今後、ゲーム業界がどちらに振り切るのか、またプレイヤーの好みが時間をかけて変わっていくのかは謎ですが、メーカーの試行錯誤と人々の議論はしばらく続きそうです。

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参考文献

New research on female video game characters uncovers a surprising twist
https://www.psypost.org/new-research-on-female-video-game-characters-uncovers-a-surprising-twist/