近年、ポリコレやDEIと言った用語をゲームの話題で耳にすることが増えています。
これらは要約するならば、「誰にとっても心地よい、不快感を与えないものを作るよう配慮しましょう」ということを言っています。
この文脈で特に矢面に立たされているのが、ゲームに登場するセクシーだったり容姿端麗だったりする女性キャラです。
こうしたキャラクターは女性蔑視や、容姿に優れない人への偏見に繋がる恐れがあるため、DEIの意識が高い企業ほどデザインに取り入れないよう心がけているようです。
そのため現在のゲームの多くは、人種や性別、文化や環境による差別や偏見を無くすようにキャラクターがデザインされることが多くなってきました。
しかし直近では、そのような考えで開発された新作FPS「コンコード」が、プレイヤー数が延びず、発売からわずか2週間ほどでサービスを打ち切られており、この大失敗の原因としてこのゲームのキャラクターデザインの問題が指摘されています。
「世界中で望まれたキャラクター」を開発したはずが、「本当は望まれていなかった」のでしょうか。
こうした背景にあって、アメリカのオハイオ州立大学(OSU)に所属するテレサ・リンチ氏ら研究チームは、格闘ゲーム『ソウルキャリバーVI』を用いて、どんなキャラクターが望まれているか調査しました。
その結果、女性ゲーマーは、性的に露骨なキャラクターを嫌っているにも関わらず、キャラクターに選択性を持たせると胸とお尻が大きくウエストが細いキャラクターや、露出度の高いセクシーな衣装のキャラクターで、ゲームをプレイすることが分かりました。
こうした結果は、コンコードのようにポリコレやDEIを意識した作品が、なぜ人気が出なかったのかを一部説明するかもしれません。
研究の詳細は、2024年9月10日付の学術誌『Communication Research』に掲載されました。
目次
- ポリコレやDEIを意識したゲームが悲惨な結果に終わる
- 女性はセクシーなキャラクターを嫌うが、プレイする際にはそのセクシーなキャラクターを選択してしまう