近年、様々な分野でポリコレDEIへの配慮が広がり、その必要性が主張されるようになりました。

ポリコレとは、ポリティカル・コレクトネスの略称であり、特定の人物に対して不快感や不利益を与えないようにする行為のことです。

例えば、人種・信条・性別・体型などの違いによる偏見や差別を含まない表現や用語を使用することを指します。

DEIとは、「Diversity(ダイバーシティ、多様性)」「Equity(エクイティ、公平性)」「Inclusion(インクルージョン、包括性)」の略称であり、あらゆる人が公平に扱われ、尊重され、組織・社会において包括されることを指します。

これらが意識され、世界から偏見や差別が無くなることはとても良いことです。

しかし、こうした配慮の中でバランスを取ったり、差別と区別の違いを適切に反映させたりするのは容易ではありません。

特に、ゲームや映画、芸術の分野では、こうした配慮が議論を呼ぶことが少なくありません。

実際、最近生じたゲーム界での出来事も、多くの議論を呼びました。

2024年8月23日に新しく販売されたチーム対戦型FPS『CONCORD(コンコード)』が、プレイヤーが集まらず、わずか2週間という異例のスピードでサービス中止したのです。

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コンコードのキャラの例 / Credit:GoGa No Commentary_Concord – ALL Operators and Skins(2024)

その原因の1つが「キャラクターの魅力の無さ」だと言われています。

コンコードではDEIに配慮したキャラクターデザインが採用されており、これまでのゲームでは当たり前だった美男美女が出てこず、男女の差異がなかったり、標準的ではない体型だったりするキャラクターが多数登場するのです。

こうしたゲーム内での配慮が社会的に良いか悪いかはともかく、ゲーマーたちのプレイ意欲は大きくそがれることになりました。