その結果、参加者たちは、性的表現が高く強いキャラクターを「より性的な魅力が高い」と認識しました。
つまり、格闘ゲームにおいて、「強さ」は、「性的表現」の効果を打ち消さず、むしろ増幅する可能性があると言えます。
また、性的表現の度合いが高いキャラクターは、「女性らしい」と見なされるものの、特に女性の参加者からは好感度が低いと分かりました。
世間でポリコレやDEIの話題になる際に女性たちが主張するように、やはり彼女たちは、セクシーな女性キャラクターに嫌悪感を抱く傾向にあったのです。
リンチ氏も「参加者が性的に描かれた女性キャラクターを嫌っていたことに驚きはなかった」と語っています。
しかし、この実験では、研究チームの予想を裏切る「意外な展開」が見られました。
なんと、実験に参加した女性たちは、性的な要素が強い女性キャラクターを嫌うものの、実際にキャラクターを選択する場面では、そのようなセクシーな女性キャラクターを選ぶ傾向が強かったのです。
では、どうして矛盾するような結果が得られたのでしょうか。
私たちがゲームのキャラを選択する時、「自分とは全く別のタイプのキャラを選択する場合」もあれば、「自己投影しやすいキャラを選ぶ場合」もあります。
おじさんがおっさんキャラで遊びたい場合もあれば、美少女キャラを操作したい場合もあるように、女性の場合は、自分に似たキャラを操作したいときもあれば、自分の理想の女性キャラを操作したい場合もあるわけです。
研究チームは、今回のケースが後者に該当しており、多くの人は自己の投影より理想のキャラを操作したい傾向があり、女性参加者たちは「理想の女性」と「性的な魅力や表現」を結び付けていると推測しています。
そしてその推測を裏付ける点として、この研究の調査では、女性参加者たちが、このセクシーな女性キャラクターを「より女性らしい」と評価することが分かっています。