そして、白票はそれ単独では集計されません。他の無効票と一緒に集計され、「白票を含む無効票が●●%」のように報道されるだけです。*4
そのため、その無効票の割合が、従前の選挙と比べて有意に多くなった場合に、初めて「白票に意味がある」かもしれない状況=他に選択肢が無いと住民が考えていると言い得ることが、当選者や政党、世論に可視化されるにすぎません。*5
例:神奈川県知事選で白票など無効票が大幅増 過去の不倫発覚の黒岩氏「私に対する批判と受け止める」 2023年4月10日 21時44分 東京新聞
そのような状況は限局的であり、一般的には「白票に意味は無い」のであるから、殊更に白票を投じることの意味を論じるべきではありません。実態としては投票を棄権する行為ですからね。
上述の通り、全体の投票数から見た得票率によって、政党や候補者が様々な恩恵が得られるか否か、或いはその程度が変動します。そのため、たとえ自分が投票したい候補者がいなくとも、一番当選したら困る候補者や政党ではない者への投票をすることによって、(ある意味で)微々たる嫌がらせができる余地がある。
一般的に無意味である白票について、これらの考慮を経てもなお自己の選挙区においてはそうせざるを得ないのだ、という究極の選択肢に至ったのならば、それは否定しません。そうした悩みを経た白票は、投じた人にとって意義のあるものでしょうが、果たしてそこまでに至る人はどれほどなのか…投票した方が早い、ということになるんじゃないでしょうか?
1: 2:過去の再選挙の事例 3:衆議院・参議院 選挙の歴史 | NHK選挙WEB 4:Q.無効票とはどのような票ですか? – 狛江市役所 *5:※無効票は「候補者でない者の氏名を書いた」場合もある。例えば出馬を断念せざるを得なかった人の応援者が、その人が最終的に立候補していないことを知らなかったり、その人を望む気持ちを表したいからと言って書くような場合が考えられます(SNSで「そうしようかな」と書いてるのが見られる。そう書いたことは伝わらずに無効の扱いになるので厳禁)。こんな事態が生じるのか疑問が浮かばないではないが、この場合、無効票の意味は変わってくる。