少数政党・政治団体だと、供託金没収ラインや国政政党ラインに届くかどうかも重要になってきます。

立候補の乱立を防ぐための供託金は衆議院議員選挙で300万円となっていますが、全体の有効投票総数の10分の1に達しない場合には没収され国庫に帰属します。

国政政党ラインとは、国会議員を5人以上有することや直近の国政選挙において全体の投票数の2%の得票を得ることを指します。法律上「政党」というときは、一般にこの国政政党を指します。政党要件を満たして国政政党になると先述の政党交付金が受け取れるようになります。

 

 

また、政党は政治資金団体を届け出ることができ、それにより普通の政治団体と比べて「団体献金を受け取ることができる」「寄付総額の制限が政党と同じ制限であり通常の政治団体より制限が緩い」「政党匿名寄付を受けることができる」「寄付者は政党等寄付金特別控除を受けることができる」などの特典があります。

制度上の他の影響としては、法定得票数に影響する場合が想定されます。各選挙毎に異なりますが、例えば衆議院の小選挙区選出議員選挙では、有効投票総数の6分の1以上の得票を得なければ、当選人が生まれないという事態が起こります。

具体的に言えば、当該選挙区に7人以上が立候補して、全員が16.6%未満の得票数しかなければ、その小選挙区では誰も当選者が出ないことになります。この場合は再選挙となり、候補者の入れ替わりが行われる可能性があります。1

なので、当選を望まない者以外への投票は、当該望まない候補者の得票率を下げることに貢献できるわけです。まあ、こういうケースはほぼ生じないでしょうが。2

政策への信任の目安で他党への影響、候補者の政党内外での影響力

候補者のその後の影響力について。

得票数はその人の主張する政策についての一定の信任と受け止められる場合があり、当選した者や各政党の政策に影響します。