また雲の方向に関しても、「もし雲が惑星の大気の一部であるなら、観測された方向と逆方向に動いているはず」と述べています。

これら新しい証拠は、WASP-49 bにはイオのような火山を持つ衛星が存在することを示唆しています。

加えて研究チームは、コンピュータモデルを使って、WASP-49 bの周りを衛星が8時間で周回している場合、雲の動きを説明できることも示しました。

そしてこの衛星は、地球の月と同じくらいの大きさだと考えられています。

現代の技術では太陽系外衛星を直接検出し確認することは困難です。

しかし、太陽系内に存在する火山の衛星イオの存在が、類似した「WASP-49 bの衛星」が存在することへの確信を強めるものとなっています。

とはいえ研究チームは、「この太陽系外衛星が、火山活動による質量損失と軌道の減衰により、いずれWASP-49 bに落下・崩壊するだろう」とも予想しています。

今後、太陽系外の火山衛星はどうなっていくのでしょうか。

太陽系内の火山衛星イオの観測を続けるなら、ヒントが得られるかもしれません。

そういった意味でも、最近報告が上がったイオの観測結果は、私たちの興味を引くものです。

太陽系に存在する衛星「イオ」の火山爆発を観測

画像
木星の第一衛星「イオ」/ Credit:Wikipedia Commons_イオ(衛星)

地球に「月」という衛星があるように、木星にも「イオ」という衛星があります。

このイオは、月とほぼ同じ大きさ(直径約3600km)ですが、太陽系で最も火山活動が活発な天体として知られています。

イオには約400を超える火山が存在しており、イオの表面には多数の火口や溶岩が見られます。

そしていくつかの火山は硫黄と二酸化硫黄、ナトリウムの噴煙を発生させており、その高さは500kmの高さにまで達しています。

太陽系内ではあるものの、地球からイオまでの距離は非常に遠く、イオの火山の観測には、これまで口径10mの大型望遠鏡や木星に接近する探査機などが使用されてきました。