私たちが存在している太陽系の外には、未知の世界が広がっています。
最近、NASAのジェット推進研究所(JPL)は、太陽系外にあるガス惑星「WASP-49 b」の周辺に、噴煙を確認しました。
そのような噴煙は、火山を持つ天体が放出するものであり、ガス惑星からは生じないはずです。
ではなぜ、このような現象が観測されたのでしょうか。
そのヒントは、太陽系内に存在する衛星「イオ」にありそうです。
イオは多くの活火山を持つ衛星として知られており、最近では、山陽学園大学の米田瑞生氏ら研究チームによって、ハワイから火山爆発の様子が観測されました。
研究の詳細は、2024年9月30日付の学術誌『The Astrophysical Journal Letters』、2024年9月11日付の学術誌『Icarus』にそれぞれ掲載されています。
目次
- 太陽系外で燃え盛る「火山の衛星」の噴煙が発見される
- 太陽系に存在する衛星「イオ」の火山爆発を観測
太陽系外で燃え盛る「火山の衛星」の噴煙が発見される
太陽系外には私たちの知らない世界が広がっていますが、そこでは不思議な現象がよく観測されます。
2017年、科学者たちは、地球から遠く離れた太陽系外に、「噴煙」のような「ナトリウムの雲」の存在を確認しました。
その場所とは、太陽系外惑星「WASP-49 b」の周辺です。
太陽系外惑星「WASP-49 b」は、土星ほどのサイズの「巨大ガス惑星」であり、地球から635光年離れた場所に存在しています。
当初、この発見は科学者たちを困惑させるものでした。
こうした雲は、火山を持つ天体がガスを放出する時によく見られるものですが、WASP-49 b自体はガス惑星であり、火山が存在する可能性が低いからです。