WASP-49 b自身がナトリウムの雲を生成しないのであれば、別の何かがそれを生み出しているはずです。
そのため科学者たちは、「WASP-49 bの近くにはイオのような火山を持つ衛星が存在している」と考えるようになりました。
ちなみにイオとは、木星の衛星の1つであり、活火山を持ち、噴煙を発生させる天体として知られています。
そしてNASAのジェット推進研究所(JPL)は、2024年10月10日、WASP-49 bの衛星の存在を示唆する新たな証拠を発見したと報告(論文は9月30日付)しました。
彼らは過去数年間に収集されたデータを分析し、ナトリウムの雲に関する新たな情報を明らかにしました。
1つ目の情報は、ナトリウムの雲の量です。
ナトリウムの雲は毎秒10万kgも生成されていると判明しました。
これは、WASP-49 bやその主星である恒星に含まれているナトリウム量をはるかに上回っています。
そのためJPLの研究者は、「惑星と恒星以外の何かによって、この雲が生成されているという説は、非常に説得力があるものです」と述べました。
2つ目の情報は、ナトリウムの雲の軌道です。
新しい観測によると、ナトリウムの雲は常に存在しているわけではなく、現れたり消えたりしており、WASP-49 bと恒星の後ろに隠れる時に見えなくなっています。
さらに、雲が惑星よりも速く動いることを観測しました。
研究チームは、「この雲が、惑星よりも速く動いている別の物体によって生成されたのでなければありえない観測結果だ」とコメントしています。