グローバルモデルだからこそ効くローシャーシ化
近年は、かつての主戦場だったオフロード系だけでなくオンロードのレースでも大活躍し、MotoGPからダカールラリー、米国のスーパークロスに数々の最高峰エンデューロレースまで、多彩なレースシーンで勝利を獲得しているKTMとハスクバーナ。その市販モデルは、公道用とレース用ともにグローバルモデルとして展開され、世界標準である身長175cm、体重80kgのライダーが乗ることを想定して開発されている。この設定は、日本人の標準体型と比べて大柄。つまり、標準より小柄な日本人がKTMやハスクバーナに乗ろうとすると、メーカーが想定した体格とはかなりの差が生まれてしまう。
そこで効くのが、インパラが展開するロワリング加工。これによりシート高が下がるので、当然ながら足着き性は向上し、小柄なライダーの不安は大幅に減るのだが、じつはローシャーシの魅力はそれだけではない。インパラのロワリング加工は、バネレートが異なるオリジナルスプリングへの換装を含めて前後サスペンションの仕様そのものを見直しながら、オーダーメイドに近い状態で実施されるため、ユーザーの体重に最適化することが可能。例えば体重60kg以下のライダーが乗っても、メーカーが本来狙ったのと同じような動きが得られ、ハンドリングや乗り心地の改良につながることも多いのだ。
しかもインパラのロワリングは、「サスペンションのストロークをショート化」または「サスペンションの全長を短縮」または「トライアングルブロックやリンクアームの形状を変更」といったWP神戸イーストが用意するメニューの中から、車種ごとに性能や車体構造を考慮しつつ選択して実施されるため、ローシャーシ化とはいえフレーム本体などには一切手を加えない。つまり、パーツを入れ替えればノーマルに戻すことも、ライディング技術や好みの変化などに応じて仕様を変更することもできるのだ。