後日、別に論じるかもしれないけど、当初は「勝てる」ものとして煽ってきた戦争の敗色が濃くなるや、スターなセンモンカが「負けても正しさを貫くのが美しい」なるポエムを詠んで、亜インテリな大衆が「そうだそうだあぁぁ!!」と唱和する景色も見られ始めた。今回はよその国の戦争だからいいものの(よくないよ!)、大戦末期の一億玉砕思想と同じである。

ぼくなりに佐藤著につけ加えると、そうなる元凶は、スターと見物人とに「擬似的な近接性」を演出してしまうSNSだろう。実際には友達でもなく、議論に必要な教養もないのに、つい勘違いして「この人と私は一体!」「だから私もエライ!」みたいな気持ちを起こす例は多い。

スターが、にわかに膨れたファン層と距離を置く大人ならよいのだが、フォロワーとどっぷり共依存めいた関係に陥り「みんな、私を満足させるために動いて!」とお子様のように振る舞うと、もう学者でなくなる未来が待っている。発言が研究と無縁の、ポエマーか吉本新喜劇になるからだ。

東野篤子氏と「ウクライナ応援ブーム」は何に敗れ去るのか|Yonaha Jun
東野篤子氏とその周囲によるネットリンチの被害者だった羽藤由美氏が、経緯を克明にブログで公表された。1回目から通読してほしいが、東野氏の出た番組に批判的な感想を呟いただけで、同氏に煽られた無数の面々から事実をねじ曲げて誹謗される様子(3回目)は、私自身も同じ動画を批判したことがあるだけに、血の凍る思いがする。
東...