「味方センターバックが(横に)開きすぎるのが気になったので、自分が下がってサイドにパスを出したほうがリスク管理的に良いと思ったんですけど、それで後ろが重たく(後方になでしこジャパンの選手が集まりすぎる状態に)なってしまいました。なので前半の途中から高い位置をとることを意識しました」
ーサイドバックの守屋選手が低い位置のタッチライン際でボールを受けると、その前にいる味方のサイドハーフに相手サイドバックが寄せてくるので、パス回しが手詰まりになる感じでしたよね。
「そうですね。(右サイドハーフのMF藤野)あおばにパスを出しづらかったので、あおばが(タッチライン際から)内側に入って、自分が高い位置をとるようにしました」
ー前半の途中から藤野選手と清家貴子選手のポジションが入れ替わり、清家選手が右サイドハーフになりました。守屋選手が低い位置でボールを受けた場合、(俊足の)清家選手を走らせたうえで、相手サイドバックの背後へロングボールを送るという攻撃をもう少し狙っても良かったと思いました。これについてどう感じていらっしゃいますか。
「そうですね。奥に(パスを)繋げても良かったかなと思うんですけど、韓国があまりプレスをかけてこなくて、(守屋自身に)余裕もあったので、慌てる必要は無いのかなと思っていました」
パリ五輪スペイン戦でも同じ問題が
今夏に行われたパリ2024オリンピック(パリ五輪)のグループステージ第1節、スペイン女子代表戦でも今回の韓国戦と同じような問題が起きていた。
なでしこジャパンはスペイン戦において、[4-4-2]と[3-4-2-1](自陣撤退時[5-4-1])の2つの布陣を使い分け。この試合でも自陣後方から丁寧にパスを繋ぐ姿勢が窺えたが、サイドバックやウイングバックが低い立ち位置且つタッチライン際でボールを受けては相手のプレスを浴び、苦し紛れにパスを出す場面が多かった。