また、ポジティブな内容を話しているにもかかわらず、表情が硬くなってしまうと、メッセージの伝わり方も変わってしまうでしょう。話の内容とそれをどう表現するかのバランスが重要です。
話す力を身につけることは自己肯定感につながる
ーーービジネスシーンとプライベートでの話し方の違いがあれば教えてください。
代表的なものに「フィラー」という冗長表現が挙げられます。フィラーとは「あー」「えっとー」といった会話の間を埋める表現のことです。日常生活ではフィラーを使っても問題ないシーンもありますが、ビジネスでのプレゼンで同じように話すと自信がないように見えることがあります。
ーーービジネスシーンだと、ある種パフォーマンスとしての話し方が強いのかなと思いました。
たしかに、プライベートでの会話は気の知れた仲間とのコミュニケーションなので、自分が話したいように話すことが許される部分があると思います。ですが、ビジネスや他者のために話す場面では、相手にどう思ってもらいたいか、つまり相手を意識したアプローチが重要です。
私たちのトレーニングではじめにお伝えするのは、この「相手ありき」という考え方です。ビジネスシーンでは、相手が何を求めているのか、どのような話し方をすれば伝わるのかを理解する視点が必要となります。
ーーー話す力を育むことで、どのような力が身につけられますか?
自己肯定感や「自分は物事を改善できる」という感覚、いわゆるグロースマインドセットが身につくと考えています。私たちのサービスに訪れる方々の中には、話すのが苦手でなんとかしたいと思っている人も多いです。
私たちは日常で毎日約6時間話しているといわれていますが、苦手なことを6時間続けるのは大変です。しかし、少しでも話す力を身につけることで、受講後には「話すのが嫌いではなくなった」「もっと前向きに話せるようになった」と、ポジティブな受講生の姿を目にして嬉しくなります。