「IQ」はいまいちな人も「o」は天才的かもしれません。
米ヴァンダービルト大学(Vanderbilt University)による2018年の研究で、人間にはIQとは独立した「o」と呼ばれる新たな才能が存在することが示されました。
「o」は物体認識にかかわる才能であり、この能力に秀でている人はX線画像から小さな腫瘍を特定したり、複数の画像から仲間外れを探すなど、視覚情報に基づいて正しい判断を行う能力に優れているとのこと。
また「o」の才能はかなりの部分が生まれつきのものであり、努力によって補うには限界があるようです。
記事の最後には「o」の才能を測定する簡易なテストも紹介しているので、興味がある人は試してみてください。
もしかしたら隠れた才能が見つかるかもしれません。
目次
- 人間の新たな才能「o」とは?
- 頭の良さと物体認識能力は関係ない
- 物体認識能力の簡易テスト(無料)を受ける方法
人間の新たな才能「o」とは?
私たち人間にはそれぞれの個性があり、性格や知能はかなりバラツキがあります。
その一方で、物体を認識する能力についてはこれまで、それほど差があるとは思われていませんでした。
多くの人々は信号機や交通標識の認識に苦労することはなく、友だちの顔と見知らぬ人の顔も簡単に見分けることができます。
スーパーに買い物に行く場合でも、ブロッコリーとカリフラワー、レタスとキャベツの違いがわからなくなることもないでしょう。
そのため、人々は他の人も自分と同じように世の中の物体を認識していると信じていました。
しかし近年の研究によって、差がないと思われていた物体認識能力には、想像以上に個人差が存在しており、さまざまな仕事の成績に影響を及ぼす「共通因子」として働いている可能性が示され始めたのです。
例えばある研究では、バードウォッチングの得意な人は胸部X線画像から腫瘍を見つけるのが得意であり、楽譜をすばやく読める人は複数のパエリア料理の写真の中に紛れ込んだピザの写真をすばやく見つけられるなど、料理を認識する能力にも優れていることが報告されました。