農業をビジネスとして成功させるには、栽培だけでなく、品質や収量の管理、販売先の確保、資金繰りの管理が必要となる。日本では農協がその役割を担い農業を大きな産業へと発展させたが、アフリカではまだ農協の運営能力が十分とはいえない。VunaPayやDegasの事業は、デジタルテクノロジーを活用することでそれを補い、アフリカの農業の底上げを図っている。

一貫した関わりが有効であるならば、日本の農協の仕組みがアフリカの農業に示唆を与えることもあるだろう。Bloom Hills Rwandaのように、ほかにも日本がライセンスを持つ作物をアフリカで栽培することもありえることで、それは日本の農家にとっても新たな販路の獲得につながる。今回とりあげた3社のような日系のアグリテックスタートアップが活躍することで、日本とアフリカの農業が協力しあえる面もあるはずだ。

文・藤原梓(アフリカビジネスパートナーズ)

参考:
アフリカビジネスに関わる日本企業リスト
週刊アフリカビジネス711号(2024年9月2日号)
Disrupt Africa
双日ニュースリリース

≪アフリカビジネスパートナーズ プロフィール≫

https://abp.co.jp/
アフリカビジネスに特化したコンサルティングファーム。2012年設立。ケニアや南アフリカに現地法人を持ち、アフリカ40か国で新規事業立ち上げや事業拡大、スタートアップ投資に関する支援を提供。スタートアップ関連では、日本企業やCVCに対する有望スタートアップの紹介や、出資の際のデューデリジェンスを中立的な立場から提供している。2022年にはアフリカのスタートアップの調達金額やビジネスモデルを紹介した「スタートアップ白書」を発行。毎週「週刊アフリカビジネス」をメールで配信し、スタートアップの動きを日本語で提供している。