今回、2024年の集計では1992年ほどではないにしても、暮らし向きも経済信頼感も低い数字で明らかに現職にとってむずかしい選挙になることはわかりきっていたのです。それぞれどのくらい悪かったのかについては、次の2段組グラフをご覧ください。
上段の「暮らし向き」を見ると、「良くなっている」との回答は39%で、たった1ポイントですが1992年の38%よりマシだと感じます。ただ、「4年前より悪くなっている」との答えは1992年では46%にとどまっていたのに対して、今年は52%と過半数に達しています。
つまりアメリカ中の世帯の過半数が「自分の家族の暮らし向きは4年前より悪くなっている」と感じているのです。
さらに下段のほぼ毎月実施されている「経済信頼感指数」調査では、バイデン大統領が当選した(ことになっている)2000年の春、つまり第1次コロナ騒動が勃発して以来、経済信頼感は3回0をかすめたことがあるだけで、あとは一貫してマイナスにとどまっていました。
このうち、2000年春のコロナ騒動勃発による経済信頼感急落だけは2016年の大統領選で番狂わせの当選を果たしたトランプ政権時代のことです。でも、2021年1月に大統領に就任してから後のバイデンは、巨額の一時金支払いのための国債大増発を始めとして、経済を回復させるよりむしろ足を引っ張っていた印象が強いようです。
これだけ冴えない実績を引っさげての2期目への挑戦ですから、たとえバイデンの認知症がかなり進んでいるとバレてしまうようなことがなかったとしても、かなりきびしい選挙戦になっていたでしょう。
経済への見方が金融業界と国民全体では真逆金融の世界では株価が上昇しつづけているかぎり経済は好調ということになっています。ですが次の2つの質問への回答で、国民がアメリカ経済について抱いている不安感をもう少し具体的に捉えることができます。
上段は複数回答が可能な設問なのでパーセンテージは低めに見えますが、トップ4に挙げられたのはどれも経済問題です。