「君、あれは本当に校長が悪らしくって排斥するのか、他に損得問題があって排斥するのか知ってますか」と云いながら〔、代助は〕鉄瓶の湯を紅茶茶碗の中へ注した。 「知りませんな。何ですか、先生は御存じなんですか」 「僕も知らないさ。知らないけれども、今の人間が、得にならないと思って、あんな騒動をやるもんかね。ありゃ方便だよ、君」

(中 略)

大隈〔重信〕伯が高等商業の紛擾に関して、大いに騒動しつつある生徒側の味方をしている。それが中々強い言葉で出ている。代助はこう云う記事を読むと、これは大隈伯が早稲田へ生徒を呼び寄せる為の方便だと解釈する。代助は新聞を放り出した。

新潮文庫版、8・89頁

かつてなら喝采されたはずの「大学無償化」も、もはやみーんな方便で言ってるだけダロ、と、有権者の見る目が厳しくなりましたよね。それくらい、高等教育は広げるほどよいとする信仰は、賞味期限が切れつつある。「在官」の大学教員のみなさんの威信低下も、その表れなんで、Twitterでだけイキってても意味ないんすよ(笑)。

なぜ学者は、いくらSNSを使っても世の中をよくできないのか|Yonaha Jun
週末に新潟の温泉旅館・嵐渓荘で開かれたイベント「らんまる」は、最終的に70人近くが宿泊を伴う参加で、大いに盛り上がった(ヘッダー写真は〆の朝食)。個人的にもこんなに素敵な宿に泊めてもらう体験は、もうない気がする。旅館主の大竹啓五さんはじめ運営スタッフのみなさん、参加者のみなさん、心よりありがとうございます。
友...

じゃあどうするのかの特効薬は、私も持ってないのですが、しかしまずは「正しい問いを立てる」ことが、最初の一歩かなと。

今回はまさに、その糸口になる対談だと思っております! どうぞ、多くの方にお目通しいただければ幸いです。

編集部より:この記事は與那覇潤氏のnote 2024年10月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は與那覇潤氏のnoteをご覧ください。