別のしつけは、体罰の一種である「スパンキング(尻叩き)」です。
この方法もアメリカで長年行われてきたしつけの1つであり、一般的に「平手でお尻を1回から数回叩く」ことだと考えられています。
そして今回の研究では、このスパンキングを発展させた「バックアップ・スパンキング(back-up spanking)」にも焦点が当てられています。
これは、「タイムアウトに従わない子供のお尻を平手で叩く」という方法です。
最初は、体罰ではないしつけ方法で子供の問題行動に対処しようと試み、それでは効果がなかった場合にのみ、体罰であるスパンキングを行うというものです。
では、これらのしつけ方法が分析された結果、どのような結果が得られたのでしょうか。
スパンキングは子供の発達に悪影響をほとんど及ぼさないと判明
大規模研究の結果、スパンキングが子供の発達に悪影響を及ぼす可能性は1%未満だと分かりました。
例えば、スパンキングが、子供の問題行動や攻撃的な行動に繋がる可能性は0.64%でした。
体罰を受けた子供は、暴力的になったり、ルールを破る・盗みを働くなどの反社会的な行動を繰り返すようになったり、同級生とトラブルを起こしやすくなったりすると言われていますが、スパンキングではほとんど関連性が見られなかったのです。
またスパンキングを受けることで、自己肯定感が低くなったり、抑うつ症状や不安障害が見られたりするという考えもありますが、今回の研究ではそのような関連性はほとんど見られず、その可能性は上述の0.64%よりもさらに低いものでした。
こうした結果は、「子供へのスパンキングが有害だ」というこれまでの報告が、いくらか誇張されていたかもしれないことを示しています。
また、今回の研究では、「バックアップ・スパンキング」が、タイムアウトに従わない子供をそのままにするよりも効果的だと分かりました。