バックアップ・スパンキングを受けた子供は、親の言葉に従い、タイムアウトに協力する可能性が大幅に高くなったのです。
加えて、バックアップ・スパンキングを含むスパンキングの効果は、子供の年齢によって異なると分かりました。
子供が2~6歳と幼い場合、スパンキングが子供の問題行動を僅かに減少させると判明し、若干の良い効果をもたらすことが分かりました。
しかし、子供が成長するにつれスパンキングの良い効果は薄れ、特に8~11歳の子供には、やや悪影響を与えると分かりました。
そのためラゼレール氏は、今回の研究から、次のように結論づけました。
「お尻を叩く最も効果的な方法は、タイムアウトなどの軽いしつけに従わない2~6歳の子供のお尻を叩くことです。
このような方法であれば、反抗的な子供はより軽いお仕置きのうちに従うことを学び、結果として、叩くことを段階的に減らしていくことができます」
今回の研究では「スパンキング(体罰)を含むしつけは、子供にほとんど悪影響を与えない」ことが示されました。
しかし、これまでの研究結果や、子供時代辛い思いをしてきた人々の声と矛盾するようにも思えます。
なぜこのような違いが生じるのでしょうか。
問題は「体罰そのもの」ではなく「体罰の乱用」にある
今回の研究結果と、これまでの体罰に関する研究結果に違いが生じたのはなぜでしょうか。
ラゼレール氏はその理由を、「これまでの研究は、効果的なしつけとそうでないしつけを区別してこなかった」と説明しています。
薬などの医学分野の研究では、薬の投与量や、最も効果を発揮する条件が一貫して定義されるものです。
しかし、しつけに関する研究では、そのような定義づけがほとんどなされてこなかったというのです。
これは、実際にしつけを行う親、その効果性を論じる人々にも当てはまります。