大量の予算を使って広告を出すのは簡単だ。しかし、読者や視聴者は企業側が都合のよい情報だけを一方的に発信する広告を全面的に信用する時代ではない。今はSNSでバズったり、雑誌やテレビの情報番組で取材してもらうことでヒット商品が生まれる。

「SNSで話題になってほしいが、ならない」

「PRで露出を増やしたいが取り上げてもらえない」

こんな悩みを抱えているマーケティング・PR担当者は少なくない。そんな声に応えるべく、PR会社のエムスリー・カンパニーとSNSマーケティング支援会社のホットリンクは共同で、オンラインセミナーを開催した。

SNS上の話題をPRによってマス領域にまで波及させるにはどうしたらよいのか。エムスリー・カンパニーの松本淳代表取締役社長とホットリンク営業本部の増岡宏紀本部長が、SNSとPRの2領域でクロスボーダーに仕掛ける方法を紹介・解説した。松本社長はテレビや雑誌などメディアに取り上げてもらうにはどうすべきかを支援する立場で、増岡本部長は消費者・ユーザーに取り上げてもらう方策をアドバイスする立場だ。

SNSの検索行動は「認知→共感→いま知りたい」

消費財のPRに長く携わってきた松本社長は、「マスメディアを使ったPRの効果測定は難しい」との声を聞くことが多いという。そして、SNS/PRマーケティングに踏み切れない企業は「効果が実感できない」からだと指摘する。

同社で扱ったアサヒコの「豆腐バー」や、はくばくの「もち麦」などは、さまざまなメディアで取り上げてもらったことで、消費者はネットでさらに情報を取得していった。その成功事例から、SNSの検索行動は「認知→共感→いま知りたい」で起きると考えられる。消費者に商品を認知させるにはさまざまなパターンがあるが、PRはその中の大きな1つだ。

松本社長は企業側ができることはまず、消費者の検索行動に応えられるように、あらゆるプラットフォームにコンテンツを用意しておくことだと語る。