■遺体に助けられた少年
1825年、英・ノースウェールズに生まれたヘンリー・ヒューズは、11歳頃から石炭鉱山で同世代の男子たちと働くようになった。ある日、彼がいつものように鉱山内の洞窟で仕事をしていると、突然洞窟の一部が崩落。ヘンリーを含む30人以上の作業員は、水も食糧もない鉱山の中に閉じ込められてしまう。そのまま3日が経ち、酸素不足による窒息で12人が死亡。さらに時間が経つと、閉じ込められた空間に石炭から発生するガスが充満しはじめ、作業員たちは続々と意識を失い、足元に15cm程溜まっていた泥で窒息死してしまう事態に。ヘンリーもガスによって意識を失い倒れ込んでしまうが、なんと他の作業員の上に重なったことで、この事故で唯一の生存者になった。