死体と寝たことがあるという人は、あなたが想像するよりも多く存在する。理由はさまざまで、愛する人の死を受け入れられなかったり、友人が死んでいることに気づかなかったり……。今回は、それが意図的であろうとなかろうと、死体と寝てしまった人たちの例を4つ紹介しよう。
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■死んだ仲間に詩を詠む隊員
1893~96年にかけて、潮流を利用して北極点に到達しようとしたノルウェーの探検家フリチョフ・ナンセンによる“ナンセンのフラム号遠征”。その先遣隊員だったバーント・ベンツェンとポール・ジョルヴィクは、北極海に浮かぶ島嶼群「ゼムリャフランツァヨシファ」にある石造りの小屋に駐留していた。しかし、寒さが厳しい環境の中で食料や燃料が不足しはじめ、衰弱したベンツェンはこの世を去ってしまう。2人は「どちらかが亡くなったらホッキョクグマのエサにならないように遺体を守る」と約束していたため、残されたジョルヴィクはベンツェンの遺体を寝袋に入れ、寄り添っていた。また、とてつもない孤独に苛まれたジョルヴィクは、他の隊員の到着を待つ間、亡くなったベンツェンに詩を詠み続けてどうにか正気を保っていたという。ベンツェンの死から2カ月後、遠征隊本体がゼムリャフランツァヨシファに到着し、ジョルヴィクは一命を取り留めている。