さらに、ナプキンの在庫切れです。ディスペンサーにナプキンが入っていないときには画面にお知らせの表示、また管理サイトで状況を把握できる仕様になっていますが、各施設の清掃業務運用により1日の巡回が異なることからも、迅速に補充を行えない状況もあることが現実です。

ナプキンの詰まりの解決案の一つに、生理用品メーカー様がOiTr(ディスペンサー)仕様のナプキンを開発をご協力いただくことがあります。しかし、それに至るには市場拡大を行っていかなければなりません。また、ナプキンの在庫切れを解決するには、ナプキンの補充にかかる作業費(トイレの維持管理費)をどうやって解決していくかということにかかっているんです。

全国のトイレで生理用品が当たり前にある状態にしたい

―――そのほかに3年経って変わった点はありますか?

飯﨑さん:今年になってOiTrと同じようなサービスを提供する企業が出てきました。これは、OiTrというソーシャルサービスが社会的価値のあるものである証です。

ビジネスである以上、競合他社との競争は避けられませんが、私たちの最終的なゴールは、トイレットペーパー同様に生理用品が個室トイレに行き届く社会のインフラを整えることだからです。

私たちだけでそれを実現しようとすれば、何百年もかかるかもしれませんが、競合が増えることで数十年でそういった社会が実現するかもしれないからです。

競争が激化する反面、導入施設も増え、私たちのサービスが単に生理のある方の問題ではなく、社会問題として国が認識することになるでしょう。その結果、設置施設導入の補助金制度につながる可能性もあると考えています。

私たちがまず生理用ナプキンディスペンサーに踏み出したことがきっかけで、生理のある方たちの「生活上の問題」を解決することによって、新市場を創造し、生活変化をもたらすことになるのです。

ナプキンの排出口を2つ設けた理由